ピックアップって何?シングルコイルとハムバッカーについて解説!
エレキギターは、どのようにしてアンプから音を出しているのでしょうか?弦を弾くと音が出るのはなぜなのか?と気になる方もいるでしょう。その答えは、ピックアップというものが音を拾っているからです。今回は、このエレキギターの音を拾う役割をするピックアップの種類や違いについて解説します。気になる方はぜひご一読ください。
そもそもピックアップとは
ギターボディを見ると中央に弦の下に、丸い金属が6個並んでいる長細い箱のようなものがついています。これがピックアップであり、弦を弾くことで振動し、その振動を電気信号に変え、ケーブル(シールド)を経由させてアンプに伝えるのです。そして音の信号を増幅させスピーカーから出力させるという仕組みになっています。
要するにピックアップとは、集音マイクなのです。エレキギターの心臓部ともいえるパーツであり、弦の真下のボディに埋め込まれています。ピックアップは、理科の実験などでよく使われるコイルを使い、ボビン(細長い箱)に棒状のマグネットを弦の数だけ挿し、周囲をエナメル線でぐるぐると巻きつけたものです。
まとめると弦振動をマグネットで拾い、電気信号に変換するマイクとなります。エレキギターを弾くにあたって絶対に必要なものとなります。また、ピックアップには種類や形などさまざまなものがあります。搭載するギターによってタイプが異なり、奏法や出したい音質、音楽ジャンルによって変わることも。続いて種類や特徴などについて解説します。
シングルコイルピックアップ
シングルコイルピックアップは、もっとも基本的なピックアップです。一番よく目にし、主にストラトキャスターやテレキャスターといったフェンダー系のギターに標準装備されています。歯切れがよく、音の輪郭がハッキリとしたクリアな明るいサウンド、高音域の繊細な表現に優れ、ピッキングの強弱も伝えやすい素直な音質のピックアップです。クリーントーン、クランチ、オーバードライブなどの音質に、ピッタリとハマります。
しかし、デメリットとしてハムバッカーと比べノイズに弱くパワーがないという特徴もあります。オールマイティにこなしますが、ジャンル的にPOPSやフュージョン、サーフ系ミュージックなどに使用されるピックアップです。
ハムバッカーピックアップ
前述したように、ハムバッカーピックアップはシングルコイルを2つ並べたような状態で搭載され、2個のコイルを逆相接続し互いのノイズを打ち消しあって減少させています。コイルも2つなので、単純にシングルコイルの倍ほどの出力パワーです。
では、サウンドはどうなのかというと、しっかりとした音圧により1音1音が太い印象を受けます。シングルコイルの真逆で低音は、柔らかく厚めのサウンドです。そしてノイズに強く、激しく歪ませても音痩せしないため、ディストーションなどとの相性も良好でハードロックやパンク、メタル系などの太く激しい歪みを必要とするジャンルに適しています。ギブソン社のレスポールやSG、ファイヤーバードなどによく搭載されているピックアップです。
パッシブとアクティブについて
ここからは、ピックアップの駆動系の説明をします。双方のメリット、デメリットを要点として理解しましょう。パッシブとアクティブとでは、構造や機能が違います。
まずパッシブは、前述してきた通り磁石とエナメル線で弦振動を電気信号に変換するだけのシンプルなタイプであり、動力を必要としません。昨今の音楽シーンを支え続けてきたといっても過言ではなく、世に出回っているほとんどのギターにパッシブタイプが搭載されているのです。しかし、アナログ方式で音を拾ってアンプで増幅させている仕組みにより、どうしてもノイズが出てしまいます。
このようなノイズを消すために開発されたのが、アクティブピックアップです。つまり、アクティブピックアップは、パッシブピックアップのノイズが大きいという弱点を改善するために、生み出されたといえます。そして高音質で大音量、歪み系のサウンドが流行り出した時代の後押しもあり、ハードロックやメタル系ミュージシャンらにも愛用者が増えました。
格段にノイズが減る一番の魅力は、歪み系エフェクターなどをたくさんつないだとしてもパッシブギターとのノイズの量が圧倒的にアクティブギターのほうが少ないところです。パッシブピックアップより深く歪ませることができ、さらに激しく歪ませると必然的に増えてしまうノイズが減ります。当然、メタル系ギタリストなどに支持されますよね。アクティブピックアップの仕組みは、ピックアップが拾った微弱な信号をボディに内蔵されているプリアンプによって増幅させるというものです。しかし、別にバッテリーを用意しないとプリアンプは、動作しません。
そこで登場するのが、9Vの電池です。箱型で長方形のタイプであり、この電池の力を使って音を増幅するため、この電池がなくなると音が全く出なくなってしまいます。そのため、ライブ前にはとくに注意が必要となり、新品にしておくと安心です。アクティブタイプのピックアップも各社から発売されていて、有名なものがEMG社のモデル。EMG社はほとんどのメタル系ギタリストから強く支持されている有名メーカーです。しかし、構造が複雑であり価格も高額なのがデメリットといったことから初心者には、少しハードルが高いでしょう。
今回は、ピックアップについて解説してきました。ピックアップにはたくさん種類があります。出したい音質や演奏したい音楽ジャンルによって向き不向き、そして音の好みも出てくるため、好みがハッキリしてきてから選択するとよいでしょう。ピックアップとは、個人的に好きな音を求め続けていくほど、沼にハマるような、本当に奥深く興味深いものなのです。