そもそもエレクトリック・ギターとは?種類や仕組みについて解説!
エレクトリック・ギターは、「エレキギター」や「エレキ」という名で広く知られています。歴史はあまり古くないのですが、さまざまなジャンルの音楽で用いられる楽器であり、世界中の多くのギタリストが使用しているため、憧れている方も多いのではないでしょうか。ここでは、エレクトリック・ギターの種類や仕組み、魅力についてご紹介します。
エレクトリック・ギターの基本
エレクトリック・ギターは電気を使い、音を増幅させたり変化させたりできる楽器です。生音は小さいので、音が気になる室内などでも練習しやすいというメリットはあります。弦の振動を電気信号に変化させるピックアップや、ボリュームやトーンを調整するノブなどがボディーについていて、これらを操作するだけで音が大きく変化します。
さまざまなエフェクターを使うことで、音色を多彩に変化させることが可能です。アコースティック・ギター同様、弦は6本が一般的で、金属製のものを使用します。ボディーで音を響かせる構造のアコースティック・ギターと違い、ボディーの自由度が高く、さまざまな形状やデザインのものをつくることができるのも、エレキギターの魅力のひとつでしょう。あらゆる音楽に柔軟に対応できるので、多くのジャンルで用いられています。
エレクトリック・ギターの種類
エレクトリック・ギターにもさまざまな種類があり、構造の違いから次の3種類に分類することができます。
■ソリッドギター
一般的に「エレキギター」というと、このタイプを指すことが多く、代表的なギターです。ボディーの構造は一枚板か合板でできており、空洞がなく中身が詰まっていることが特徴です。さまざまな形状のものがあり、Fender(フェンダー)のテレキャスターやストラトキャスター、Gibson(ギブソン)のレスポールなど、高い人気を誇る有名モデルが数多く存在します。
■フルアコースティック・ギター
通称「フルアコ」と呼ばれ、ボディーの内部が完全に空洞になっているエレキギターのことです。その形状から「ホロウボディー」や「ハコ(箱)モノ」と呼ばれることもあり、表面の形状から世界的には「アーチトップギター」とも呼ばれています。一般的なエレキギターに比べ厚みがありますが、その分太く豊かな音の響きが得られるのが特徴です。
また、アコギに似た構造のため、生音もアコギに近いものがあり、ある程度の音量を出すことも可能。「甘い音色」と称されることが多く、ジャズやブルースのギタリストが愛用。代表的なモデルとしては、Gibson(ギブソン)のES-175やL-5、Gretsch(グレッチ)のテネシアンなどが有名です。
■セミアコースティック・ギター(セミアコ)
「セミアコ」と呼ばれるセミアコースティック・ギターは、ボディーの芯にあたる部分は木が詰まっていて、その左右は空洞です。フルアコと同様に「ハコ(箱)モノ」と称されています。
フルアコよりも空洞部分が少なく、ソリッドギターとの中間的なギターといえるでしょう。ハウリングが起きにくく、甘く豊かな響きの中にもシャープな音があり、幅広い演奏スタイルに対応します。Gibson(ギブソン)のES-335やES-339、Rickenbacker(リッケンバッカー)の360などが代表的なモデルです。
エレクトリック・ギターの仕組み
エレキギターの仕組みについてご紹介します。
■ピックアップ
ピックアップは、弦の振動を拾電気信号に変えるもので、マイクのような役割を果たすものであり、エレキギターにおいて重要な部分のひとつです。コイルと磁石、金属の棒で構成されており、形状によってタイプがわけられます。
コイルがひとつの「シングルコイルピックアップ」は明るくキラキラしたサウンドが特徴で、ストラトキャスタータイプやテレキャスタータイプなどに搭載。コイルを2つもちいる「ハムバッカーピックアップ」は太くパワフルなサウンドをしており、レスポールタイプにSGタイプなどに搭載されています。
■エフェクター
エフェクターは、エレキギターとアンプの間に接続し、電気的に音色を変化させる機材です。その目的や効果によってさまざまな種類があり、音を歪ませる「オーバードライブ」や「ディストーション」、残響感をつける「リバーブ」や音に揺れをつける「フランジャー」などがあります。
■バランサーやノッチフィルター
2種類のピックアップが搭載されているときに、音の出力の割合を調整する「バランサー」や特定の周波数帯域をカットしてハウリングを防ぐ、イコライザーに似た「ノッチフィルター」などもあります。
ここまでエレクトリック・ギターの魅力をご紹介しました。エレキギターにもさまざまな種類があり、アンプやエフェクターなどの周辺装置を工夫することによって、多種多様な音楽を演奏することができます。それぞれの特徴を理解し、自分が好む演奏スタイルや出したい音を奏でられるとよいですね。ぜひ、自分なりの音を楽しんでください。