そもそもアコースティックギターとは?知っておきたい基礎知識
アコースティックギターは比較的身近な楽器であり、目にしたり触れたりしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。また、コロナ禍でおうち時間が増えたことにより、趣味としてアコースティックギターを始める方も増えているようです。そこで、アコースティックギターの概要や種類、始めるときに準備しておくとよいものをご紹介します。
アコースティックギターの基本
「アコギ」とも呼ばれるアコースティックギターは、電気を使わずに演奏できるギター全般のことを指し、どこへでも持ち運び演奏することができます。弦や音色が異なる「クラシックギター」も、アンプにつなげることができる「エレクトリック・アコースティックギター」も、広義ではアコースティックギターの一種となります。
弦をはじくとその振動が全体に伝わり、ボディーの中の空気を共鳴させ音を響かせる構造になっています。基本的に6本の弦で構成されており、木のボディーから奏でられる温かくやわらかい音は、アコースティックギターの最大の魅力といえるでしょう。弦の種類やボディーの形状によって異なるさまざまな演奏スタイルを楽しむことができ、幅広いジャンルの音楽に使用されています。
アコースティックギターの種類
一言でアコースティックギターといってもいろいろな種類があり、それぞれに使用している素材やボディーの大きさ、向いている音楽性や用途などに違いがあります。
■フォークギター
アコースティックギターの定番で、フォークはもちろん、ロックやジャズ、ポップスなど、さまざまな音楽のジャンルで使用されています。スチールなど金属の弦が張られており、シャープで金属的な響きが特徴です。指やピックで弦を弾いて演奏し、ときには打楽器のようにボディーを叩いて演奏することも。
老舗ギターブランド「MARTIN」に代表される「ドレッドノート・タイプ」は、比較的大きなボディーを持つギターで、強めでパワーのある音が好まれています。比較的小ぶりなタイプは女性にも扱いやすく、細やかで繊細な音色が魅力です。
■クラシックギター
クラシックギターの最大の特徴は、ナイロン製の弦を使用していることです。以前は羊や牛などの動物の腸(ガット)を使っていたことから、「ガットギター」とも呼ばれています。
一般的なフォークギターよりも小さいボディーのものが多く、種類はおもにクラシックスタイルでもちいられているクラシックギターと、構造や音色が少し異なるフラメンコギターの2つ。指で弦を弾いて演奏し、やわらかくて丸みのある音を奏でることができます。
■エレクトリック・アコースティック・ギター
エレクトリック・アコースティック・ギターは、通称「エレアコ」ともいわれ、アコギにエレキギターの要素を加えたものです。基本的にはアコギと同様の構造ですが、ピックアップが内蔵されているので、音を増幅させたり加工させたりすることもできます。また、アンプに接続することができるので、ライブなどでの演奏にもおすすめです。
アコースティックギターを始めるときに必要なもの
アコースティックギターのよさを理解し、始めたいと感じている方もいるのではないでしょうか。その際に必要な、基本的なものをご紹介しますので、参考にしてください。
■チューナー
チューナーは音を正確に合わせるために使うもので、ギター演奏時の必需品のひとつです。弦を交換したときはもちろん、練習が長時間に及んだときや、置いてあるだけでも湿気などの要因で、音が狂ってしまうことがあります。そのため、ギターを弾く前には正確なチューニングをして、音のズレを調整する必要があるのです。最近はクリップ式のチューナーが便利で主流となっています。
■カポタスト
通称「カポ」といわれるカポタストは、ギターのネック部分のフレット(金属部分)に挟み込んで、曲のキーを変更するために使用。ネジタイプやクリップタイプなど、さまざまな種類のものが販売されています。
■ピック
ピックは弦を弾くために必要なもので、形や厚み、素材や硬さの違う、さまざまな種類があります。ギターは指で弾いて演奏してもよいですが、ピックを使ったほうがより力強い音を出すことができるのです。最初は、標準的な硬さのミディアムでスタートするのがよいでしょう。安価なものが多いので、いろいろと試してみて好みのピックを見つけるのもいいですね。
■ギタースタンド
使っているときはいいものの、意外とギターは置く場所に困るものです。不安定な場所に置いておくと、ネックに負担がかかってしまったり故障の原因になってしまったりすることもあります。弾き終ったらスタンドに立てかけておくようにしましょう。
アコースティックギターにはいろいろな種類があり、大きさや音色、演奏のしやすさにも違いがあります。見て触って、自分が気に入るものが一番ですが、迷ってしまったら定番のものを選ぶとよいでしょう。