適切なギターフレットの磨き方とは?メンテナンスを怠らないようにしよう
ギターのフレットがだんだんとくすんできて輝きが失われるという現象は、ギター所有者なら誰でも経験があるのではないでしょうか。フレットのくすみは見た目がよくないだけではなく演奏にも影響するので、できれば定期的にメンテナンスして元の輝きを取り戻したいものです。ここでは簡単にできるフレットのメンテナンス方法をご紹介します。
ギターのフレットが錆びやすい理由
ギターのフレットは水分や汗などに直接触れなくても、置いているだけでくすんできます。フレットがくすみやすく錆びやすい原因はフレットの元となる素材そのものにあります。一部の高級ギターは例外として、一般的なギターのフレットはニッケルという金属でできています。このニッケルはそれなりに強度があって加工もしやすいというフレットに適した優秀な素材なのですが、酸化しやすく曇りや錆が出やすいというデメリットがあります。
高級ギターに使用されているステンレスと比べて安価で取り扱いやすいというメリットがありますが、酸化しやすいために日ごろのメンテナンスの手間がかかってしまいます。ちなみに高級ギターのフレットの材料であるステンレスは、水回りの設備に使用されていることからも分かるように水分や酸化に強く錆びにくいだけでなく、高度があって加工しにくい分耐久性に優れ寿命が長いという特徴があります。
フレットが酸化すること自体は防ぎようがなく、放っておいてもギターが弾けなくなることはないのですが、やはり見た目の印象が冴えないのは否めないうえ演奏のポテンシャルも下がってしまうので、メンテナンスを覚えて実践したいところです。幸いフレットのメンテナンスは至ってシンプルかつ簡単なので、この機会にマスターして習慣化してしまいましょう。
フレットを磨くのに必要なものとコツ
フレットを磨くこと自体は難しいことではありませんが、ちょっとした道具を用意する必要があります。その道具とは、マスキングテープ、金属磨き(ピカール)、ギタークロスのような柔らかい布の3点です。マスキングテープはフレットを磨く際に木でできた指板面を保護するために使用します。マスキングテープ以外でも指板面の保護さえできればよいので、指板保護プレートのような専用のツールを使用してもよいのですが、マスキングテープはこの作業以外にもエレキギターのリペアやメンテナンスなど幅広い用途で使用できるので、持っておいて損はないでしょう。フレットを磨く際に使用する研磨剤は万能金属磨きの代表選手ピカールがおすすめです。
ピカールを擦り込んで磨く布はギタークロスがあればベターですが、柔らかい布であれば何でもよいので、使い古しのTシャツなどをカットして使ってもよいでしょう。フレット磨きは指板面をマスキングするところからスタートです。フレットのサイドも磨くので指板面のサイドまでマスキングします。マスキングテープは次のフレット磨きにも再利用できるのでなるべく使いまわせるように丁寧に扱いましょう。マスキングが完了したらいよいよ磨きの工程です。柔らかい布を指先に巻き付け、少量のピカールを含ませて小刻みに擦ります。ほんの少量でも効果あるので、ピカールのつけ過ぎには注意しましょう。
研磨によって表面の酸化した部分が取れたら、最後はピカールなしで空拭きをして完成、感動的に輝く金属面が表れているはずです。指先で磨く作業は磨いているという実感があってやりがいがある反面、結構大変な作業でもあります。電動ドリルを持っている方は金属磨き用のバフが付いたビットを取り付けて機械で磨くという方法もあり、効率がよくおすすめです。
買取価格も上がる!?ギターのフレットを磨くメリット
ギターフレットを磨くには高価な道具も必要なければ、難しいテクニックも必要ありませんが、磨かなくても弾けるだけに、磨くのが面倒でなかなかやる気が出ないという方もいるかと思います。しかしフレットを磨くメリットはあってもデメリットはないので、この機会にぜひチャレンジしてみませんか。
フレットを磨くメリットはまず第一に見た目の印象がよくなることが挙げられます。やはり金属部分が輝いていると見栄えがよくなり、演奏する際の気分も上がることでしょう。
また、フレットがくすんでいるとチョーキングやビブラートの際の滑りが悪くなりますが、磨くことで滑りがよくなり演奏性が上がるというメリットもあります。そして、フレットの状態は買取価格にも影響します。買取に出す際に弦を張り替えることやクリーニングをすることは常識といえますが、とくに汚れやすい指板面やフレットは弦を外した際に念入りに汚れを取って磨いておくと査定の印象がよくなるでしょう。
まとめ
ギターのフレットを磨いてメンテナンスすることにメッリトはあってもデメリットはありません。簡単なメンテナンスを習慣にすることで、演奏のポテンシャルも上がり、輝いた見た目は気分も上がります。ギターを手放すときにもメンテナンスが行き届いていれば価値が上がり、買取価格にも有利にはたらくでしょう。磨き方を押さえて、しっかりメンテナンスしましょう。