テレキャスターの種類は?買取相場はどのくらい?
1950年登場と、発売されてから70年近く経った今でも変わらない人気を保ち続けているテレキャスターは、世界初の量産型ソリッドギターとして、常にミュージックシーンの先頭で多くのミュージシャンを魅了し続けています。
ここでは、そんなテレキャスターの特徴や種類、手放す場合の買取価格の相場などについて掘り下げてみました。
テレキャスターの特徴と基本構造
テレキャスターの特徴は、何と言ってもその歯切れの良い音と中音域にあります。アコースティックギターのようにボディの中が空洞ではないソリッドボディなので、音が反響せずにコシのある枯れた硬い音になることが魅力です。
基本的な構造としては電気系統やコントロール部が非常にシンプルな作りで、シングルコイルの2ピックアップと1ボリューム、1トーンのみとなっています。ただし、ピックアップはネック側とブリッジ側で大きさが異なるものを使用しているため、他のソリッドタイプのエレキギターとは一味違った独特のサウンドを生み出していることが特徴です。
ブリッジ部分にはリアピックアップが埋め込まれた大きな金属のプレートが使用され、ボディの裏側から弦を通す仕組みになっているため弦の振動がボディに伝わりやすくなっています。これがコシのあるサウンドの秘密で、立ち上がりが鋭くてはっきりとしたトーンを奏でることができるため、テレキャスターはリード演奏よりもコード演奏に向いていると言われおり、実際にバンドでもボーカルギターやサイドギターなど、ソロよりも伴奏をメインにプレイするギタリストに愛用されている傾向にあります。
ネックはボディとの接合部分がボルトで取り付けられた「ボルトオンネック」と呼ばれるタイプで、それまでのボディに直接はめ込まれていたセットネックタイプよりも簡単な作りであったため生産効率に優れ、以降のギター構造に大きな影響を与えました。
テレキャスターにはどんな種類があるの?
テレキャスターにはおよそ70年近い長い歴史があり、ミュージックシーンの流れや演奏スタイルによってデザインや仕様の変更などが加えられているため、さまざまなバリエーションのモデルが存在しますが、基本的には次の3種類となっています。
まずは標準モデルの「テレキャスター」で、ギターを弾く人であれば真っ先にイメージするモデルです。さまざまなモデルがありますが、中でも有名なのがカントリーミュージシャンに人気のピックアップがひとつ追加されたナッシュビルモデルです。
「テレキャスター・シンライン」はソリッドボディ内部をくり抜いてホロウボディにしたタイプですが、くり抜いてあるのは低音弦側だけで高音弦側はソリッドのままになっていることが特徴です。1968年の製造開始で当初はボディの軽量化だけが目的で空洞にしていましたが、その特殊なボディ構造が奏でる独特のサウンドに人気が集まり現在でも生産が続いています。標準モデルよりも柔らかい音質で、ボーカルギタープレイヤーに使用されることが多くなっています。
フロントピックアップをシングルコイルからハムバッカーに変更し、2つのピックアップそれぞれにボリュームとトーンを備えたタイプが「テレキャスター・カスタム」です。1972年に製造が開始され、そのスイッチを変えることによって生まれる多彩なサウンドが特徴で、サウンドの出力も増強されていることから、ロック系のアーティストに人気が高いモデルです。
テレキャスターの買取相場はどのくらい?
テレキャスターは現在でも人気が高いギターなので、中古市場でも高めの買取価格ですが、同じテレキャスターでもアメリカの本家フェンダーUSA以外にフェンダージャパンによる日本製があります。一般的な買取価格は販売価格の20~30パーセントと言われていますが、買取価格はフェンダージャパン製の場合は比較的低めで、フェンダーUSA製は高目となっており、特にヴィンテージモデルは高額が期待できます。
フェンダージャパン製の買取相場は、2008年までのモデルの場合は3万円前後で2008年以降になると4万円前後と、年式が新しいものほど高めの傾向です。フェンダーUSA製の場合は、2018年製標準モデルの場合なら5万円でそれ以前の年代なら7万円、3ピックアップのナッシュビルモデルは7万円が相場となっています。
70年代から80年代のヴィンテージモデルの場合は高額買取の対象となっており、70年代シンラインなら10万円以上、カスタムは15万円前後が買取相場で、限定生産モデルならば更なる高額買取が可能となっています。なお、購入時に付属していたハードケースや保証書、マニュアルなどの付属品の有無によっても査定額は変りますので、買取依頼する場合にはそれらを全て揃えて一緒に査定してもらうことがポイントです。
人気の高いテレキャスターですが、高額買取を狙うためには査定に出す前にメンテナンスしておくことが重要です。ボディ本体はもちろんのこと、ネックなどの汚れもしっかりと落としておきましょう。ペグなどのメッキ部分も磨いておくと印象が良くなりますし、緩かったり硬かったりしても査定に影響しますので、ドライバーなどで調節しておくことが大切です。